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先方様

「設計お願いします」と言ってはくるものの、金を出すのは先方様で、資本主義社
会では金を払う方が偉いということになっているのだから言いたい放題。

「この四畳半の玄関ホールに、ソラ、あの〃風と共に去りい〃で、スヵーレットが『アシュ
し‐Ⅱ』と叫びながら降りてきたような廻り階段、できないかしらI」とか、「十六畳く
らいの居間に八畳の和室、それに十畳の寝室に子供部屋が六畳二つ、ユーティリティーは大
きめで、台所は六畳くらい、やっぱりダイニングも六畳は最低いりますわネェ・その辺でま
とめて二十坪の家はできませんでしょうか?」等を。

およそプロであるわれらにとって、飛び上がるような注文がスラスラ出てくる。
悪いことに、日本の保守党政府の住宅政策の無策のために、日本人は自分の家は自分で手
配し、段取りせねばならなくなった。

なおかつ土地と建設費は高騰の一途で、もう一生に一
度しか家を建てる機会はなくて、住宅ローン払い終わって人生の終わり、みたいな形に庶民
を追い込んだばっかりに、家を建てる機会に恵まれた施主は、一生に一度の大セレモニーと
ハッスルする。